「QoD (Quality of Death) = 終わりからはじまるQoL」というコンセプトに、私は魅了されています。
QoDという言葉の持つパワフルさは、私たちの価値観、人生観を揺さぶり、根本から問い直します。QoDは、私たちに問いかけます。
「どう生きて死にたいのか?」「それをどう実現するのか?」「あなたの地域で可能なのか?」と。
このパワフルな問いかけは、社会システムの前提となっている経済原理やキャリアの発想から私たちを引き離し、「人として生まれてきて、この人生で何が大切なのか?」を問い続けます。
QoDから考えることによって、どうすれば「人生の質」(QoL:Quality of Life)が向上するのか。
その要素を発見し、社会をリデザインすること、QoD視点のサービスを次々と生み出していくことに貢献したいと思っています。
そのために、配偶者・子どもに頼らず独立して生きているシニア、若くても死を意識する経験をした方々に、人生の危機を乗り越えた際に経験した価値観の変化や、その後「望む死の状況」(QoD)を意識する中で、「人生の質」(QoL)の意味や課題は変化したかについて、リサーチを開始しています。
そして、経済的視点に偏らない「ライフプランニングの新しい形」など、新たな可能性を生み出して行ければ嬉しいです。
社会システムを根本から問いなおすことによって、数十年先の社会を多様なアイデアとつながりでつくり上げていく、「Slow Innovation」を起こしていきたいと考えています。
野村 恭彦
Slow Innovation株式会社 代表取締役
金沢工業大学(K.I.T.虎ノ門大学院)イノベーションマネジメント研究科 教授。博士(工学)
国際大学GLOCOM 主幹研究員
日本ナレッジ・マネジメント学会 理事
日本ファシリテーション協会フェロー
社団法人渋谷未来デザイン フューチャーデザイナー