それぞれのQoL

誰にでも訪れる死

「QOD」という言葉は馴染みがなく、「死の質」「緩和ケア」などと関連する言葉が出てくるが、きちんとした定義はないようだ。
私にはどうも自らの中で、腑に落ちるものがないといってもよい。
人生の最期は、その人の人格、障害の有無、住む地域、家族構成、財産、宗教…ほんとうに千差万別だ。
その人その人によって異なる最期であり、QODにも多様性があるのかもしれない。
私は、何歳になろうとも、終わりのことばかりを考えて不安になるのではなく、「今」を楽しく懸命に生きれば良いと考えている。
税理士業務の一環として受任している成年後見人業務、認知症の母、妻子、自らの事務所の従業員、今の私には、支えなければいけないものも多い。
また、自らの目標もあり、比較的「今」を充実して生きている。
そんな私が「QOD」に関連して考えるのは、各人が自らの終わりをほんの少しずつでも考えることで、
先に終末期をむかえる家族や身近な人に寛容になれるのではないか、
また、その経験ゆえに自分の死についても寛容になれるのではないかということである。

各務 史浩

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