実施レポート

2023年12月03日 開催 @EBIS303(恵比寿)

第一回シンポジウム

その人の思いをかなえてイキキルために
 -自由・安心・つながる場「First Contact Team」

第一部

5歳のウェルカムボーイのおもてなし。
ご来場された皆様への感謝の気持ちを添えて。

大きなクッキーを一枚一枚、お一人お一人に心を込めてお渡しします。
数多くの来場者様にご挨拶できました。

ウェルカムボーイの活躍に会場全体も和みます。

当日は沢山のご予約をいただく中で満席のお客様。

定刻を待たずに満席のご来場者様。 これから始まるシンポジウムへの期待で溢れていました。

当財団のシンポジウムへの思いをのせて、事務局西田からみなさまへのご挨拶。
皆さんから向けられる沢山の笑顔に声のトーンも上がります。

【基調講演】多様性のある居場所 ~賢明なる配慮

スピーカー: 樋野 興夫 氏

順天堂大学 名誉教授
新渡戸稲造記念センター長
一般社団法人「がん哲学外来」名誉理事長
恵泉女学園 理事長

テーマである「ファーストコンタクトチーム」に繋がるお話しをいただきました。

樋野先生の優しく緩やかな語り口での基調講演。

ボリュームに溢れそしてユーモアに富んだ映像資料。樋野先生の言葉一つひとつに沢山のヒントがあります。

来場者の熱気が壇上に向けられています。

【ゲストスピーカー】自宅で幸せな最期を迎えるために~なんちゃって在宅診療にきをつけよう

スピーカー: 山中 光茂 氏

医療法人社団しろひげファミリー
しろひげ在宅診療所 所長

冒頭から山中先生の変化に富んだ経歴に皆様興味津々

山中先生の明るさとやさしさと熱意のこもった講演。

在宅診療のあるべき姿をお伝えくださいました。

医療だけに留まらないご活躍の場は、行政も巻き込んで地域に広がっています。

【質疑応答】・【休憩】

参加者の皆様から寄せられたご質問のポストイット。強い思いが感じられるものばかりです。

休憩中には皆様からのご質問をすべてご紹介。ポストイットを読み上げる西田に注目が集まります。

より具体的、あるいは詳細なご質問にもお二人から丁寧なご回答をいただきました

参加者の皆様から寄せられたご質問のポストイット①

参加者の皆様から寄せられたご質問のポストイット①

参加者の皆様から寄せられたご質問のポストイット②

第一部の熱気と質疑応答の盛り上がりをクールダウンの休憩タイム。
会場には5歳から95歳のご来場者がお見えになりました。

第ニ部

【パネルディスカッション】あなたにとってのFirst Contact Teamとは・・・

ゲストパネラー: 山中 光茂 氏

医療法人社団しろひげファミリー
しろひげ在宅診療所 所長

パネラー: 岡山 慶子 氏

NPO法人キャンサーリボンズ
副理事長

パネラー: 三国 浩晃 氏

NPO法人 人生まるごと支援
理事長

ファシリテーター: 野村 恭彦 氏

Slow Innovation株式会社代表取締役
金沢工業大学教授(KIT虎ノ門大学院)

「『ファーストコンタクトチームとは?』ではなく『あなたにとってのファーストコンタクトチームとは何ですか?』というお話しをしましょう」ファシリテーター野村氏からテーマについての提案です。

スピーカーの皆様の様々なお立場から活発にご意見が。それぞれの思う「ファーストコンタクトチーム」をボードに掲げ、ポイントをご説明くださいました。

第一部の講演に引き続き、パネラーとしてもご参加くださった山中先生

柔らかくも明朗な語り口の岡山氏の言葉に聞き入りました。

ユーモアを交えた楽しくわかりやすい三国氏のお話。力強い言葉には会場から思わず拍手も。

野村氏の理路整然とした進行でポイントがクリアになっていきます。

三国氏の思うFirst Contact Team:「ケアする人をケアしたい 覚悟を持った人をケアしたい」
「30分間顔の見える距離にいて苦痛にならない存在」

岡山氏の思うFirst Contact Team:「わからないからもっときかせて」常にお互いに聞ける関係、環境。「あなたが必要な時、私はここにいるよ?」

山中先生の思うFirst Contact Team:「幅広い寄り添い」世の中の沢山の情報に惑わされず、その方の価値観に寄り添う。

見守ってくださっていた樋野先生からのお言葉。
「言葉がなくともお互いの顔が見える距離で不愉快にならない人間の訓練」そんなお題目をいただきました。

【IWBLの活動報告・アート・オブ・キーパーソンに関連して①】野村氏(IWBL理事として)
ひとりの人を“社会の一般的な最適”ではなく、“その人においての最適”を考えたい。

【IWBLの活動報告・アート・オブ・キーパーソンに関連して②】野村氏(IWBL理事として)
ファスト(平均的な/大量/効率)の価値観からスロー(ひとりに寄り添う/非効率)へのシフトを考える時。ひとりひとりを大切にする社会を目指し、活動していきたい。

【ご来場者のご紹介】三国氏より

テーマに沿った事例として、来場者様(94歳)のご紹介。
三国氏のサポートのもと日々を楽しまれています。

お身体をケアしながら外泊する様子などのレポートが発表されました。

どこに行くにも物怖じせず、車椅子で積極的に行動されている元気な姿に来場者の皆様から大きな拍手が。

【ご挨拶】

一柳 弘子

一般財団法人一柳ウェルビーイングライフ
理事長

代表一柳より、この度のシンポジウムの経緯と意義をお伝えしました。

この度のシンポジウムにはきっかけとなった支援者のご紹介です。

アンケート結果 抜粋

本日、心に届いた言葉はありますか?今日の感想も含めてお聞かせください

  • 山中先生:自宅でも最期を迎えることができる。と、挑戦します!
  • その人の最適を考えていくこと、その人のために360度何ができるかを考えること。ファストとスロー
  • 樋野先生:死ぬという大切な仕事⇒私は94歳です。仕事の事、プライベートの事やることがいっぱい。死ぬまでに間に合うかと?考えていましたが死ぬという大切な仕事が残っている。この仕事を成就するためにどう生きるか
  • 樋野先生の演説の中にたくさんありました。いい人生は最後の5年で決まる。勝海舟がクララさんに伝えた言葉。
  • 会話と対話の違い。希望をもって生きる人の事を誰が病人と呼ぶでしょう。
  • 人は最後に「死ぬ」という大きな仕事がある「絶対」大丈夫と伝えることは安心につながる。相性は大切 合わないときは言っていい
  • 介護施設の運営に携わっています。ケアや質の高い介護って何なのかを毎日考えています。樋野先生の哲学、山中先生や岡山さん、三国さんの実践の言葉から心に響く事ばかりでした。時に真面目に誠実に、でもケアする人も大切に楽しく、ウェルビーイング介護を考えたいと思いました。
  • いろいろありましたが「30分間、顔の見える場所にいて相手の苦痛にならない存在」
  • 山中Dr 絶対ということはあり得ないとしても、それが安心感につながるのであればその言葉を選ぶ。これはたくさんの経験があるからでしょうね。

あなたの思うFirst Contact Teamはどんな人?どんな居場所になりますか?

  • 想いを聞き出し、理解して ケアする人につたえてくれる人。
  • 私は自宅で緩和ケアのみで ひとりひとりを大事にする言葉に感銘しました。ありがとうございました。
  • 個別に問題あり。向き合い安心しての生活援助の心がけ チーム重視して日々対面、対話の毎日 笑顔を求めている
  • 私が決めるという原則を尊重しつつ聴いてくれる場/自己決定権
  • ケアマネージャーや多職種との方により心を通わせること顔の見えるその人のために考える、本当にしたい事をキャッチ
  • 山中先生の江戸川区在宅診療は理想です。川崎市はまだ沈黙状態で横須賀市のように終活部門サポート体制うらやましいです。個人で探すしかありません。
  • 寄り添いの難しさ、正解がないから、よく考える機会になったような
  • 場所はどこでも良いが、自分がありがとうと言える環境でさよならしたい
  • 本人の状況、思いを整理し覚悟で聞ける人達で必要な資源につなぐ、コーディネートする、そして実行するTeam
  • 今はどんな人、どんな居場所?わからない。考えていなかった、とても大切なことなのに。今日から帰りの電車の中から考えようと思います。

2023年12月20日