実施レポート

2024年09月08日 開催 @品川区立総合区民会館 きゅりあん

第ニ回シンポジウム
その人の思いに最期まで寄り添うキーパーソン

開場直前の受付スタッフ。期待感に自然と笑顔がこぼれます。

7月末には申込受付を終了させていただく程の反響をいただいていた当シンポジウム。司会の明るい一声からスタートです。

【基調講演】おひとりさまの在宅死を可能にするキーパーソンの役割とは

スピーカー: 上野 千鶴子 氏

社会学者
東京大学名誉教授
NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)
理事長

上野先生の凛々しいお姿、理路整然とわかりやすいお話でした。

開始時にはほぼ満席。参加者の皆さまの熱気に溢れていました。

「老後の満足のための三条件」など是非とも覚えて帰りたいキーワードを沢山いただきました。

上野先生が提示されるパワーポイント資料を食い入るように見つめる皆さま。

データに裏付けされたお話は説得力があります。

おひとりさまの高齢者が、理解ある医師のもとで在宅ひとり死を実現した事例など、興味深いお話を伺いました。

切れ味鋭い指摘とユーモアに溢れ、あっという間に時間が流れました。絶賛の中で先生の講演は終了です。

【パネルディスカッション】たとえ、認知症のおひとりさまでも在宅死は可能ですか?

シンポジスト: 上野 千鶴子 氏

社会学者
東京大学名誉教授
NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)
理事長

ファシリテーター: 野村 恭彦 氏

Slow Innovation株式会社代表取締役
金沢工業大学教授(KIT虎ノ門大学院)

パネラー:

服部 万里子 氏NPO法人 渋谷介護サポートセンター

内田 由美子 氏廣株式会社 和み訪問看護ステーション代表

三国 浩晃  氏NPO法人 人生まるごと支援 理事長

秋月 隼人  氏NPO法人 人生まるごと支援 支援員

一柳 弘子  氏一般財団法人 一柳ウェルビーイングライフ 代表理事

上野先生もシンポジストとして登壇いただいてのパネルディスカッション。上野先生のご意見は、慣習で決めつけている思考を良い意味で壊していただけます。

ケアマネジャー、訪問ナース、キーパーソンや支援員。ディスカッションに挑むパネリストの皆さまです。

それぞれ違うポジションからの意見が交わる有意義なディスカッション。

「おひとりさまでも在宅死は可能なのか?」勇気と覚悟を求められる人生最後のミッションかもしれません。

大きなお題目とその具体的な方法や問題点に、現実を重ねる様子の皆さま。

会場からも質問をいただきつつ、具体的な事例によるディスカッションが続きました。

【一柳ウェルビーイングライフミッション】最期までその人らしくを生ききるを支える 人・場・しくみづくり

一柳 弘子

一般財団法人一柳ウェルビーイングライフ
代表理事

代表理事からこのシンポジウムへと繋がった当財団のミッションについて。そして今後の活動としてキーパーソン講座のお話

【キーパーソン講座基礎編のごあんない】真のキーパーソンの方法論

野村 恭彦 氏

Slow Innovation株式会社代表取締役
金沢工業大学教授(KIT虎ノ門大学院)

キーパーソン講座の内容を具体的にわかりやすくご説明いただきました。

三国 浩晃 氏

NPO法人 人生まるごと支援
理事長

キーパーソン講座の重要性や有用性をハートフルにご説明いただきました。

【終演後】上野先生著書販売とサイン会

上野先生の著書販売会も大盛況でした。

上野先生のサインをいただけるとあって長蛇の列が。

お一人お一人にお声をかけながら丁寧にサインをいただきました。

アンケート結果 抜粋


基調講演「おひとりさまの在宅ひとり死を可能にするキーパーソンの役割とは」(上野氏講演)
にて、共感したことや気づき、印象に残ったことなどをお聞かせください。

  • 「高齢化リスクは一人より二人のほうが高い」在宅ひとり死は可能
  • 大変すばらしい試みと、新しい視点をいただきました。在宅を考える誰もが、そのリスクをよく知りひきうけられるかがカギと思います。
  • キーパーソンとその人の行動・寄り添い方によって在宅での過ごし方が違うと思った。その
    為のシステムが充実しないと難しいとも思った。
  • キーパーソンだけでは難しいので、自己決定・司令塔・システムの3つが大事だと思いました。
  • 家族に頼らなくてもいいと思いました。
  • 上野先生のはっきりとした自分の意志を主張するという発言がとても印象に残りました。
  • 高齢者の自己決定を実現させる司令塔の役割を担っている立場と再認識できました。在宅の限界は?
  • 上野先生のお声が若々しく、お話も大変興味深く、引き込まれました。介護保険制度の改悪の話は後日勉強したいと思いました。 短い時間で多くの情報をありがとうございました。

パネルディスカッション「たとえ、認知症のおひとりさまでも在宅死は可能ですか?」
にて、共感したことや気づき、印象に残ったことなどをお聞かせください。

  • 在宅死はしっかりしている間に本人が意思表示しておく必要がある。任意後見人というキーパーソンの覚悟しだい。
  • 常識で無理と思わず、それを叶える為にどう対応したら良いか考えていく必要があると改めて感じました。
  • 認知症になるまえの本人の在宅での意思決定があれば、在宅死も可能かと思った。実際事例の話に納得して勉強になった。
  • キーパーソンになる覚悟をひとりに任せるのは重過ぎると思う。キーパーソンとチームで相談して「もうどうにもならん」という結果になっても意味がある。「どうにもならん」に腹おちする意味はある。
  • 認知症のおひとり様は民生委員や訪問診療の医師から「そろそろ入所」と声がかかる。火事など近所に迷惑がかかるので。徘徊、大腿骨骨折、火の不始末がきっかけが多い
  • ごの職位も、最期まで寄り添う「志」や「覚悟」を持った人はごくわずか(おそらく1割以下数%)現場のジレンマ、理想と現実のギャップを実感しました。
  • 認知症の方は意思決定をできなくなっても感情の好悪はあるというのは大切なポイントだった
  • 現場の生の声が聞けて良かったです。介護も看護ももちろん医療も”人”。どんな人と縁があるか、キーパーソンが誰かが重要だと思いました。~意思決定~

シンポジウム全体について、あるいは当財団の取り組みについて興味を持たれましたか?
感想やご意見などお聞かせください。

  • とても良かった。 かたすぎずゆるすぎずで。
  • 自分はキーパーソンという立場だと思うが、本人の本気度とキーパーソン(後見人)の本気度を考える機会となりました。
  • とてもよかったです。最後までその人らしく生きるための情報や考え方。
    必要なしくみや制度を知る事はとても大切だと思います。
  • とても考えさせる内容でした。また、このような取り組みがあったら参加しないです。
  • シンポジウムは大変勉強になりました。定期的にあれば参加したいと思います。

2024年9月24日